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東野圭吾『毒笑小説』あらすじ解説 「笑」シリーズ第2弾

『毒笑小説』は1996年に出版されたユーモア短編小説で「笑」シリーズの第2弾。

クスっと笑えるブラックな笑いが詰まっています。

塾にお稽古に家庭教師にと、VIPなみに忙しい孫。何とかゆっくり会えないものかという祖父の訴えを聞いて、麻雀仲間の爺さんたちが“妙案”を思いつく…。前代未聞の誘拐事件を扱った「誘拐天国」をはじめ、毒のある可笑しさに満ちた傑作が1ダース!名作『怪笑小説』に引き続いて、ブラックなお笑いを極めた、会心の短篇集。

東野圭吾『毒笑小説』より引用

この記事では
『毒笑小説』に収録されている全12話のあらすじを、ネタバレ無で解説していきます。

 

あらすじ解説

誘拐天国

福富豊作は孫と遊ぶ時間が取れないことを悔やんでいた。孫である健太は勉強付けにされていたからだ。そこで、他の大富豪仲間と協力して健太を誘拐することに。彼らは金にものを言わせた、大掛かりな誘拐をやってのける。

エンジェル

アメリカの学者が南太平洋の島で新生物を発見した。その名はエンジェル。天使を思わせる可愛らしい見た目から人気を博し、一般家庭へと普及していく。しかし、その後はエンジェルを巡り、世界中で事件が多発することになる。

手作りマダム

ABC電気の重役を夫に持つ、鳥飼フミエは夫の部下の妻たちを集め”手作り”の品を振舞っていた。それはクッキー・ソーセージなど食べ物に始まりランチョンマット・絵画にまで及んだ。しかし、それらはどれを取っても粗悪な出来栄えであった。

マニュアル警察

只野一郎はカッとなり妻を殺してしまった。そこで自首しようと警察署を訪れるが窓口や部署をたらい回しにされてしまう。その理由は警察業務が”マニュアル化”されたことにあった―――。果たして只野は煩雑な手続きをやりとげ、自首することができるのか。

ホームアローンじいさん

年老いた伸太郎は息子夫婦と孫の留守を狙って、アダルトビデオを鑑賞しようとしていた。彼は70歳を過ぎていたが、若い娘の裸が大好きだったのだ。しかし、現代機器の操作方法がわからない伸太郎は苦戦することに。そこうしているうちに、強盗に侵入されてしまう……

花婿人形

茂秋は母親である要子の操り人形だった。御茶之小路という名家に生まれた彼は、幼少期から要子の徹底された管理の下で暮らしてきたのである。茂秋は女性と付き合ったことがなかった。しかし、ついに要子が婚約者を見つけ出し結婚式を挙げようとしていた。めでたい結婚式であったが、茂秋には1つの懸念材料があった。

女流作家

宮岸玲子は妊娠のため作家活動を休業することに。連載中の小説があるため、何とか執筆をして欲しい出版社側であったが宮岸の猛反発をうけ断念する。ほどなくして宮岸は男の子を出産し執筆活動を再開するが…… 出産後、なぜか宮岸は姿を現さなくなった。

殺意取扱説明書

私は神田にある古本屋で「殺意取扱説明書」を購入した。それを読んだ私は殺意の初期化を図り、気持ちの整理をすることに。私の殺意の矛先は恋人を奪った育美に向いていた。その後、私は説明書を読み漁り、育美を殺すための準備をすすめていく。

つぐない

ピアノ教師の藤井美穂は栗林という中年男を担当することになった。栗林は「償いがしたいんです」と必死にピアノの稽古に取り組み、発表会に出るまでになった。しかし、なぜ中年男である栗林が突然ピアノを始めたのか。彼の本当の狙いとは。

栄光の証言

正木孝三は深夜に路地裏で男二人が殴り合っているのを目撃した。そして翌朝、その路地裏で殺人事件があったことを知る。犯人を目撃していた孝三は、事件の証人として警察から事情聴取を受けることに。事件解決に向け”手柄”をたてた孝三は有頂天になっていく。

本格推理関連グッズ鑑定ショー

古今東西で実際に起きた事件に、ゆかりのある品を鑑定するのが「本格推理関連グッズ鑑定ショー」である。そのショーに山田史郎は父親から受け取った、”木の棒”を出品した。一見、なんのへんてつもないこの棒は『壁神家殺人事件』の密室トリックに使用されたものであると言われているものであった。

誘拐電話網

カワシマの下に不吉な電話がかかってきた。内容は「子供を監禁しているが、親に身代金を請求するのは卑怯だからお前が払え」というものだった。当然のごとく断るカワシマであったが、徐々に不安感が強くなっていく。そこで、他人になすりつけようと画策し電話をとった。

感想

本当にバカバカしくて笑えるものから、ブラックジョークや切なさを覚えるものまで幅広く楽しめます。

個人的には5話の「ホームアローンじいさん」がオススメです。最後のオチが見事ですよ!

ABOUT ME
テイケチ
◇25歳/男 ◇医療職/田舎で一人暮らし ◇小説紹介してます