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東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』あらすじ・見どころ解説 ※ネタバレ無し 加賀恭一郎シリーズ第3弾

『どちらかが彼女を殺した』は1996年に出版された本格推理小説。

本書の特徴は、加賀恭一郎シリーズ第5弾の『私が彼を殺した』と同様で
”最後まで犯人が明かされない”こと。

容疑者は2人。OL殺しの真相に加賀恭一郎が迫ります

この記事では
『どちらかが彼女を殺した』の重要部分のネタバレは避け、あらすじに沿いながら、見どころを解説しています。

あらすじ

最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の”現場検証”の結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。

東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』より引用

主な登場人物

和泉園子:東京でOLとして働く。偽装を施され殺害される。

和泉康正:愛知県警豊橋署に勤務。園子の兄。最愛の妹を殺され独自の捜査で犯人に迫る。

佃潤一:園子の元恋人。

弓場佳代子:園子の親友。

加賀恭一郎:練馬警察署の刑事。

見どころ

和泉園子の死

第一発見者は兄の康正。

3日前に園子から
「裏切られちゃったんだ、信じていた相手に」「私が死んだら、きっと一番いいんだろうと思う」
という不吉な電話を受け、愛知から東京にある、園子のマンションまで駆け付け、遺体を発見します。

園子の遺体は自室のベッドの上。胸と背中にはコードが貼り付けられていたことから、死因は電流によるショック死であったことがわかりました。

いっけん、自殺の様に見える園子の遺体。しかし、康正は現場の状況や遺留物を見て他殺であると確信します。

最愛の妹の死に兄は何を思うか。康正の取った驚くべき行動とは

康正の証拠隠滅

康正は園子の死が『自殺』だったと見せかけるために、他殺だと判断できる証拠の隠滅を図ります。

しかし、なぜ康正は証拠の隠滅をしたのでしょうか?
本書では康正の思いが以下につづられています。

彼にとっては妹の幸せこそが、最大の望みだったのだ。それを奪われた無念さは犯人が逮捕された程度のことではおさまらなかった。

東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』より引用

つまり、康正は自分の手で犯人を突き止め、妹の復讐を果たそうとしたのです。そのためには、園子は自殺であったと、警察が判断しなければなりませでした。

康正の証拠隠滅は功を奏し、警察は自殺の線で動くことになります。

しかし、練馬警察署の加賀恭一郎だけが園子の自殺に疑念を抱き、康正に立ちはだかります。

2人の容疑者

康正は、独自の調査で犯人を
『佃潤一・弓場佳代子』の二人に絞りこみます。ここでは、二人の容疑者の”動機”について、康正の推理を確認していきます。

もともと、和泉園子と佃潤一は恋人関係にありました。そこで園子は親友である弓場佳代子に佃を紹介しました。

しかし、そこから園子と佃の関係に亀裂が生じることになります。

佃は佳代子に惹かれたのです。そして園子に別れを告げ、佳代子との交際を始めました。

このことから、園子と二人(佃、佳代子)の間で愛憎によるトラブルが生まれます。そして、二人が園子のことを疎ましく思い、殺害に及んだ。康正はこのように推理します。

果たして、園子を殺したのは佃潤一か、それとも弓場佳代子か…

感想

同じく、犯人明かしがされない作品である、「私が彼を殺した」と比較すると、容疑者が【3人→2人】に減っているので難易度は下がるのかな、と思います。しかし、終盤の怒涛の展開や情報量の多さは、丁寧に読まなければついていけない程で、私は解説やほかの方の記事を見てやっと真相を理解しました……笑

推理もさることながら、加賀恭一郎と康正の関わりも見逃せない作品です。

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テイケチ
◇25歳/男 ◇医療職/田舎で一人暮らし ◇小説紹介してます