『カッコウの卵は誰のもの』は2010年に出版されたサスペンス小説で、2016年にはテレビドラマ化されました。
自分の子供と”血が繋がっていない”そんな事実は受け入れられるものなんでしょうか?
胸のうちに抱える愛情と正義。
娘を守るために戦う父親の姿に涙腺が緩みます。
この記事では
重要部分のネタバレは避け、『カッコウの卵は誰のもの』のあらすじ・見どころを解説していきます。
あらすじ
スキー元オリンピック選手の緋田宏昌。妻の死後、最愛の娘の風美が実の子でないことを知る。遺伝子を研究する科学者の登場や風美への脅迫状など予期せぬ事態に立ち向かいながら娘の出生の秘密を探る。果たして風美は誰の子なのか…
登場人物
緋田宏昌:スキーの元オリンピック選手で風美の父親。
緋田風美:宏昌の娘。スキーの実力は父を凌ぐ程で将来を嘱望されている。現在は、新世開発スキー部に所属。
上条伸行:新潟で建設会社を営んでいる風美の実の父親と思われる人物。宏昌と風美と接触を図る。
上条文也:上条伸行の息子。白血病に罹患しており症状の進行が激しい。望みは骨髄移植のみ。
見どころ
妻の死
緋田宏昌の妻、智代は風美が幼い頃に自殺で亡くなってしまいます。
自殺の理由は育児ノイローゼだと周りは言ったし、宏昌もそう考えました。
亡くなる前の智代は情緒的にかなり不安定になっていたからです。
妻の死後、宏昌は立派に風美を育て上げます。
しかし、ある日、宏昌が家の大掃除をしていると智代の鏡台からある新聞記事を発見しました。
その内容はにわかには信じ難い物でした。
智代が新潟県内のある病院から
生まれたばかりの女の子を連れ去ったと推測できる内容だったのです。
脅迫状
新世界発スキー部に脅迫状が届きます。
『緋田風美をメンバーから外し全ての試合の出場を辞退させよ』
との内容でした。
脅迫状の意図が掴めない関係者は警察へは届け出ず、広報担当と称して風美の護衛につき、身辺の監視を行うことにしました。
上条伸行の接触
ある日、宏昌の会社に上条から連絡が入りました。
「上条」という名前を聞き宏昌は覚悟を決め、会って話を聞くことにします。
そこで上条はある理由を付けて風美に「DNA鑑定をして欲しい」と申し出ます。
宏昌は断る事ができず一旦保留としました。
上条は合宿中の風美にも接触を図ります。
2人は風美が宿泊しているホテルのロビーで握手をし言葉を交わしました。
上条は何故今頃になって接触をしてきたのか…
その理由は上条伸行の息子
”文也”が白血病に罹患している事が要因でした。
息子の危機の中、骨髄ドナーとして
藁にも縋る思いで風美を訪ねてきたのです。
マイクロバスの事故
上条が風美と接触した後に2人は一緒にマイクロバスに乗り込みます。
しかし風美は忘れものに気づき下車しました。
そのままマイクロバスは出発しますが事故を起こして炎上したのです。
乗っていた上条は不幸なことに
意識不明の重体となってしまいました。
風美への脅迫状もあり事故は仕組まれていたことは確実。
仕組んだ人物は脅迫状を出した犯人と同一人物なのでしょうか…
まとめ
父親として娘に何ができるのか?最良の選択とは何か?
葛藤し行動する宏昌に哀愁を感じました。
ヒューマンドラマも楽しめますが本格的なミステリー要素もたっぷり盛り込まれています。
特に風美の出生の謎が明らかになるにつれ事件の全貌も見えてくる後半は注目です。
世の中には「知らなくて良いこと」も沢山あるんだと改めて実感しました。
知らなくて幸せならそれでいいですよね。
東野圭吾「カッコウの卵は誰のもの」感想・レビュー
でした。ではまた!