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東野圭吾『黒笑小説』あらすじ解説 「笑小説シリーズ」第3弾

『黒笑小説』は2005年に出版されたユーモア短編小説で、「笑小説シリーズ」の第3弾。

小説業界の裏側から所謂下ネタまで、幅広いジャンルの笑いを味わうことができます。

作家の寒川は、文学賞の選考結果を編集者と待っていた。「賞をもらうために小説を書いているわけじゃない」と格好をつけながら、内心は賞が欲しくて欲しくてたまらない。一方、編集者は「受賞を信じている」と熱弁しながら、心の中で無理だなとつぶやく。そして遂に電話が鳴って―。文学賞をめぐる人間模様を皮肉たっぷりに描いた「もうひとつの助走」をはじめ、黒い笑いに満ちた傑作が満載の短編集。

東野圭吾『黒笑小説』より引用

この記事では
『黒笑小説』に収録されている全13話のあらすじを、ネタバレ無で解説していきます。

あらすじ解説

もうひとつの助走

作家の寒川、編集者の神田らは文学賞の選考結果を待っていた。寒川は文学賞にこだわりはないと豪語しているが本当は心の底から欲しがっている。一方、神田ら編集者は寒川をもち上げながらも内心では賞を諦めていた。文学賞をめぐる人間模様の裏側を描いた作品。

線香花火

新人作家の熱海圭介は『撃鉄のポエム』で灸英社の新人賞を獲得する。しかし、『撃鉄のポエム』は編集者からは軒並み低評価で、こき下ろされていた。そんな事を知らない熱海は自身の成功を確信し、仲間に啖呵を切っていた。

過去の人

灸英社文学三賞授賞式に招待された熱海圭介は自分の存在を知らしめようと、意気込んでいた。しかし、会場の人間は熱海に見向きもしない。そこで自ら接触していく熱海だったが、編集者たちからは煙たがられてた……。

選考会

作家の寒川は灸英社から新人賞の選考委員をしてもらえないかと、依頼を受ける。ガッツポーズまでして喜ぶ寒川だったが、内心を悟られまいと格好をつけて承諾する。しかし、寒川が選考委員に選ばれたのには切なすぎる、別の目的があった。

巨乳妄想症候群

私は何もかもが巨乳に見えてしまう『巨乳妄想症候群』にかかってしまう。克服すべく手を尽くすが、禁断症状が出てしまう。果たして”巨乳”が溢れるこの世の中で症状を克服することができるのだろうか。

インポグラ

俺は大学教授の立田から”インポテンツ誘発剤”を開発したと報告を受ける。そこで俺はインポテンツ誘発剤の使用用途について考えることになった。そして意外な使い道が見つかっていくことに。

みえすぎ

ある朝、俺は目を覚ますと、火事ではないかと疑うほどに周囲が霞んでみえた。そこで眼科医である父に相談すると驚くべき事実が発覚する。俺の症状は『人には見えない細かい粒子が見えてしまう』というある種の超能力だったのだ。

モテモテ・スプレー

女性から相手にされず困っていたタカシは『人類愛正常化研究所』を頼ることにする。そこでMHCというモテるために重要な、遺伝子のスプレーを手渡される。MHCスプレーを使用したタカシは、狙っていた女の子と仲良くなっていくのだが…

シンデレラ白夜行

シンデレラはいつも義母や義姉にいじめられ、義母らのせいで逼迫する家計を助けるために、アルバイトとして高級洋品店で働く日々を送っていた。一方、その頃貴族たちの間では舞踏会に現れる『レディ・マスク』という魅惑的な女性が話題となっていた。名作のオマージュ作品。

ストーカー入門

僕は恋人である華子から、突然別れを告げられた。混乱する僕に、華子は『ストーカー』になるように要望する。さらに混乱する僕に対して、華子によるストーカー指導が始まった。謎過ぎる華子の狙いとは……

臨界家族

川島哲也は娘が欲しがる玩具にうんざりしていた。それもそのはず、次々に新作が登場するため金銭的に家計が圧迫されるのだ。しかし、「他の家の子は持っている」という玩具を買わないわけにもいかず…… 川島は玩具メーカーの思うつぼとなってしまう。

笑わない男

拓也と慎吾はお笑い芸人として活動していたが、全くうだつが上がらなかった。そこで宿泊先のホテルのボーイを笑わせ、景気づけをすることに。果たして、2人は鉄仮面のごとく表情を変えないボーイを笑わせることができるのか。

奇跡の一枚

遥香はお世辞にも”美人”とは言えない容姿であった。しかし、ある日の山中湖で撮った写真は、アイドルタレントのように映っていたのである。しかし、なぜ遥香は奇跡の一枚を手にすることができたのか。父親が気が付いたちょっぴり切ない真相とは。

感想

いい温度のブラックジョークが散りばめられていて、ニヤニヤしながら読んでいました。

有名作品のオマージュもあり、一線を超すか越さないかの絶妙なラインを攻めている感じがたまりません。

何故かホッコリとすることもある、不思議な作品です。

ABOUT ME
テイケチ
◇25歳/男 ◇医療職/田舎で一人暮らし ◇小説紹介してます