『殺人現場は雲の上』は1989年に出版された短編推理小説。
新日本航空のスチュワーデスである、エー子とビー子。性格、容姿とも正反対なコンビが様々な事件に挑みます。
この記事では
『殺人現場は雲の上』に収録されている、全7話のあらすじを1つ1つ解説していきます。
あらすじ
新日本航空の花のスチュワーデス、通称・エー子とビー子。同期入社でルームメイトという誰もが知る仲よしコンビ。容姿と性格にはかなり差がある凸凹コンビではあるけれど……。この二人が奇妙な事件に遭遇する。昼間、乗務中にお世話した男の妻が、自動ロックのホテルの室内で殺害されたのだ!雲をつかむような難事件の謎に挑む二人の推理はいかに?
東野圭吾『殺人現場は雲の上』より引用
短編集解説
ステイの夜は殺人の夜
乗務中に対応にあたった男性の妻が、自動ロックの部屋の中で殺害された。疑いのかかる、夫や甥には確固たるアリバイがある。捜査は難渋するが、部屋に運ばれたサンドイッチが事件の鍵を握ることに。果たして、婦人を殺したのは誰なのか…
忘れ物に御注意ください
ベビー・ツアーのフライトを終えた機内の中に”赤ちゃん”が忘れ去られていた。しかし、搭乗客の赤ちゃんは全員揃っている。つまり1人増えたのだ。突如として増えた赤ん坊は、一体どこからやってきたのか。そして、誰の子なのだろうか…
お見合いシートのシンデレラ
機内のお見合いシートで出会った男性と結婚をするというビー子。なんと、1回目のデートでプロポーズされたのだという。お世辞にも”モテる”とはいいがたい、ビー子に舞い込んできた縁談。その裏にある秘密とはいかに。
旅は道連れミステリアス
エー子・ビー子御用達の『富屋』の旦那と、見ず知らずの女性がホテルの一室で遺体となって発見された。亡くなった二人に接点は無いことが判明した。謎多き事件の裏側とは。
とても大事な落し物
機内に遺書が落ちていた。中身を確認するが氏名の記入は無い。エー子とビー子はパイロット協力のもと、落とした人物を絞り込む。遺書を書いた意外な人物とは。そして、その理由とはいかに。
マボロシの乗客
新日航客室課に「昨日、俺は人を殺した」との怪電話がかかってきた。そして実際に空港の駐車場から、血液が付着した女性のバックが発見される。果たして、持ち主は本当に殺されてしまったのだろうか…
狙われたエー子
ある日の暮れ、1台の車がエー子を襲う。間一髪で避けることができたのだが、一体誰が襲ったというのか。そんな中、盛岡で起きた殺人事件の容疑者として、エー子の元恋人の名があがっていることを知る。それはかつて、将来も視野に入れ付き合った男性であった。
感想
短編集で殺人以外の話もあり、バラエティーに富んでいる印象です。誰しもがエー子とビー子の掛け合いに心が和むと思います。事件を推理しているのはほとんどエー子ですが…笑
お笑いありで楽しくサクッと読める、推理小説でした。