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東野圭吾『マスカレード・ホテル』原作 ネタバレ無しで、あらすじ・見どころを解説

『マスカレードホテル』は2011年に出版されたミステリー小説で『マスカレードイブ』『マスカレードナイト』を加えたマスカレードシリーズの第1弾。

2019年には木村拓哉さん、長澤まさみさん主演で映画化されています。

複数の殺人現場に残されていた謎の数字は、次に殺人が起こる現場を示していました… 

今回の殺人の舞台は一流ホテルである、コルテシア東京。

ホテルマンに化けて潜入捜査をする捜査一課の新田は、犯行を阻止することができるのでしょうか。

この記事では
『マスカレード・ホテル』の重要部分のネタバレは避け、あらすじを解説していきます。

あらすじ

都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!? 

東野圭吾『マスカレード・ホテル』より引用

主な登場人物

―刑事、ホテルスタッフ―

新田浩介:警視庁捜査一課の刑事。ホテル内での潜入捜査でフロントスタッフになりすます。

山岸尚美:ホテル・コルテシア東京のフロントクラーク。警視庁捜査一課、新田の教育係。

能勢:品川署の刑事で新田とコンビを組む。愚鈍そうな見た目とは裏腹に、刑事としてかなりの切れ者。

尾崎:警視庁捜査一課の管理官。

―宿泊客―

片桐瑶子:目が不自由な老婦人だが、どこか不自然な点が垣間見える。

安野絵里子:フロントにとある男の写真を見せ「近づかせないで」と要求する。

栗原健治:宿泊客。新田を執拗に責め立てる。新田はどこかで会ったことがあると言う。

高山佳子:ホテル・コルテシア東京で挙式予定。ストーカー被害に悩んでいる。

見どころ

連続殺人事件となぞの数字

都内で同一犯による連続殺人事件が起きます。

なぜ同一犯として扱うのか。それは殺人現場に謎の数字が残されていたからです。

第一の殺人現場:45.761871
        143.803944

第二の殺人現場:45.648055
        149.850829

第三の殺人現場:45.678738
        157.788585

実はこの数字は(緯度・経度)をあらわしていました。

しかし、上記の緯度・経度を地図で調べても全く関係のない土地が出て来るばかりでした。

捜査員たちが頭を悩ます中、新田が数字のカラクリに気づきます。

そして新田の力により、第三の殺人現場に残された数字がホテル・コルテシア東京の緯度経度を指し示していることが判明したのです。

※以下、数字についてのカラクリ解説になります。興味のある方は見ていただければと思います。

新田が暴いたカラクリとは

殺人現場に残された数字から、事件当日の日付を引く(-)というもの。

言葉では分かりにくいので、
第一の殺人現場の数字を見てみましょう。

第一の殺人は10月4日に起こりました。

なので1段目の数字から10(月)を、2段目の数字から4(日)を引きます。

45.761871-10(月)=35.761871
143.803944-4(日)=139.803944

上記の計算を行うと

35.761871
139.803944
 という数字になります。

この数字こそが、次の殺人現場の緯度・経度を表しているのです。

実際、第二の殺人はこの緯度・経度で起こりました。

これが新田が暴いた数字のカラクリになります。

目が不自由な客

新田がフロントクラークとして潜入捜査を進める中、片桐瑶子という目の不自由な老婦人がチェックインしてきました。

片桐はフロントクラークである山岸にチェックインからその後までの対応を依頼します。

片桐を観察していた新田はとある疑問を口にします。

それは
なぜ両手に手袋を使用しているのか」というもの。

というもの、視覚障害を持っている方は
触覚や聴覚など視覚以外の感覚を頼りに生活していることが多いからです。

その後、片桐は1215室に入室しますが部屋変更を申し出ます。

理由としては、片桐には霊感があり1215室にはたくさんの霊が存在しているから。というもの。

結局、1215室から1219号室に変更をすることになります。

夕食の時間になると、片桐から「ホテル内のフレンチレストランに行きたい」と山岸に向けて連絡がありました。

山岸は片桐に帯同し、ホテル内のフレンチレストランまで案内します。

そのレストランのメニュー表は点字で作成されていました。もちろん視覚障害者用ということになります。

しかし、メニュー表に触れるときでも片桐は手袋を外しませんでした。

その様子を見た山岸の胸にはモヤモヤとしたものが広がり始めていました。

そして、新田から「片桐は視覚障碍者の演技をしているのではないか」と聞かされます。

新田は山岸が片桐をエスコートしている時に、片桐に対して声をかけたことがありました。

その声かけに片桐は驚くことも無く、平然と返答をしたのです。

しかし、新田はそれまで声を発していないため存在は認識されていないはず。

普通は急に聞こえてきた声に対して「どなたですか?」と尋ねてくるもの。

それが無かったということは、
”新田が近くにいた事を知っていた”と捉えることができます。

なぜ、片桐は視覚障碍者の演技をしているのでしょうか。

結婚式を控えた女性

コルテシア東京ではブライダル部もあり、近日中に1組のカップルの結婚式が予定されていました。

その花嫁の名前が高山桂子

幸せの絶頂を迎えようとしている彼女ですが、1つ懸念材料がありました。

それはストーカー被害にあっていることです。

具体的には郵便物が届かなかったり、届いたとしても誰かに一度開けられた形跡があるというもの。

そして最近になり、高山桂子の兄を名乗る人物から「結婚式のスケジュールについて確認させてほしい」とホテル側に電話がありました。

しかし、彼女に兄はいません。

この事実に高山は震えあがります。

そんな彼女をさらに追い込む出来事が起こりました。

それは結婚式前日のこと。
新郎新婦あてに宅配便が届いたのです。

中身はワインで、送り主は『北川敦美』

北川敦美というのは新婦の友人で実際に存在する人物でした。結婚式の招待所も送っており、実際の住所と宅配便に記載されている住所も一致していました。

しかし、北川敦美に確認をとったところ、「そのような荷物は送っていない」と返答がかえってきました。

おそらく、送り主は高山のストーカー。盗み見した郵便物の中から北川敦美の見つけ利用したと考えられます。

送られた郵便物の中身とは。そして、殺人現場に残された数字が示唆する事件と関係はあるのでしょうか。

X4の存在

今回の連続殺人では、すでに三つの事件が起こっています。

その中で、第二の事件で亡くなった野口史子の旦那である、野口靖彦のパソコンから驚きくべきメールが発見されました。

その内容から読み取れるのは
犯人は複数人いて、単独犯ではないということ。

メールには、X1、X2、X3、X4と名乗る者がやり取りをしていました。

X1=第一の事件の犯人
X2=第二の事件の犯人
X3=第三の事件の犯人
X4=コルテシア東京で起こるとされる事件の犯人

と考えることができます。

連続殺人事件、最後の舞台となるホテル・コルテシア東京。そこに現れたX4(犯人)と命を狙われた意外過ぎる人物とは…

感想

本書は『ホテル』での潜入捜査といった斬新さがありながら、ミステリー要素・推理要素も存分に味わえるため、いい意味でかなり欲張りな印象を受けます。

キャラクターの濃い、新田・山岸コンビですが、物語が進むにつれ距離が縮まっていく様は交際前の男女を見ているようでした。2人は結ばれるのでしょうか… 

原作、映画ともにヒッしたのも頷ける作品でした。

原作はこちら↓

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テイケチ
◇25歳/男 ◇医療職/田舎で一人暮らし ◇小説紹介してます