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東野圭吾『天空の蜂』原作のあらすじ・見どころ解説 ※ネタバレ無し 驚愕のクライシスサスペンス

『天空の蜂』は1995年に出版されたクライシスサスペンス小説で、2015年には江口洋介さん主演で映画化されました。

9歳の子供と爆薬が積まれたヘリコプターがビックBが”原子炉”の真上に…

墜落までのタイムリミットは8時間

手に汗握る展開で現場のリアルな臨場感を味わえます

現在、当たり前となっている原子力発電について問題提議をしている作品のように感じました。

登場人物

湯原一彰:ビックBプロジェクトの中心メンバー

湯原高彦:湯原の子供。10歳になる

山下:ビックBプロジェクトのメンバーで湯原一彰の後輩

山下恵太:山下の子供。9歳になる

あらすじ

超大型ヘリ”ビックB”が何者かに奪取された。1人の子供と爆薬が積まれたビックBは原子炉「新陽」の上空をホバリング。テロリストの要求が飲めなければ原子炉に落下してしまう。迫りくるタイムリミット、テロリストとの駆け引き、子供の救出。テロリストの目的とは一体何なのか?驚愕のクライシスサスペンス

見どころ

盗まれたビックB

領収飛行(不備が無いかの最終チェック飛行)を控えた午前8時の出来事でした。

盗まれたのは最新の技術が搭載された
ヘリコプター、通称”ビックB”

まだ世には出ていない未完成の機体でした。

テロリストは無線機能を利用したラジコン操作にていとも簡単に盗み出します。

しかもその機体には9歳の子供、山下恵太が乗っていました。

というのは盗まれる直前に湯原高彦と山下恵太は格納庫に無断で潜入していたのです。

そしてビックBは9歳の恵太と共に福井県敦賀湾にある
原子炉「新陽」に向け飛び立ちました。

内部犯

ビックBは無線を利用したラジコン操作で盗まれましたがこれには周到な事前準備が必要な事が調査により明らかになりました。

そうなるとセキュリティが厳重な中
外部の人間の犯行はほぼ不可能という結論に落ち着きます。

内部の実情を細部にわたり把握しセキュリティを突破できる人物。

それは内部の人間しか考えられないのです。

ビックB・新陽の関係者が疑心暗鬼となっている傍らテロリストは皮肉にも現場に派遣されていきます。

テロリストの要求

・現在稼働中、点検中の原発をすべて使用不能にすること。

・建設中の原発はすべて建設を中止せよ

・上記作業を全国ネットでテレビ中継せよ
ただし「新陽」だけは停止させてはならない。

東野圭吾 天空の蜂 61ページより引用

上記内容がテロリストの要求になります。

果たして政府はこの要求を飲むのでしょうか。

現場関係者は「新陽」を稼働しているように見せかけ停止するように試みます。

しかしテロリストは様々な手を使い「新陽」の停止を阻止します。

あらゆる手段が断たれていく中で現場が下した決断とは…

子供の救出劇

ビックBに1人取り残された山下恵太。

テロリストは「新陽」を除く国内すべての
原子炉を停止させた上で以下の条件を満たせば
救出を容認するとメッセージを送ります。

・救出方法をテレビにて発表すること

・救出者はヘリコプター内部には決して入らないこと

・ヘリコプターの高度、位置の変更を求めないこと

。子供にヘリコプター内部のものを持ち出させないこと

東野圭吾 天空の蜂 147ページより引用

果たして政府は「新陽」以外の原子炉を止め
救難隊は上空1000メートルでの救出を成功させることができるのでしょうか?

まとめ

壮大なスケールで描かれ、現場の焦燥感が伝わってくるようでした。

恵太の救出劇や物語の終盤は月並みな言葉ですが、まさに手に汗握る展開です。

また、東野圭吾さんの原発やヘリコプターなど機械工学に対する知見の深さに脱帽です。

知見があるからこそここまでリアリティのある作品が仕上げあられるのではないかと思いました。

そして、この作品には原発に対しては強烈なメッセージが含まれています。

”沈黙する群衆”とはまさに私達のことなんですよね。

ABOUT ME
テイケチ
◇25歳/男 ◇医療職/田舎で一人暮らし ◇小説紹介してます