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東野圭吾『時生』あらすじ・見どころ解説 ※ネタバレ無し 親子の感動SFファンタジー

『時生』は2002年に出版され、2004年にはドラマ化されたSFファンタジー小説。

どうしようもない若者だった宮本拓実が、謎の少年トキオと出会い、真っ当な人間へと成長していく、感動の名作です。

この記事では
『時生」の重要部分のネタバレは避けながら、あらすじ・見どころを解説しています。

あらすじ

不治の病患う息子に最後のときが訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、20年以上前に出会った少年との思い出を語りはじめる。どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った―――。過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品。

東野圭吾「トキオ」より引用

主な登場人物

宮本拓実:定職に就かずギャンブルに溺れるなど、自堕落な生活を送る。口だけは立派で、恋人の千鶴に愛想をつかされる。トキオと出会い、真っ当な人生を歩み出す。

トキオ:突如、宮本拓実の前に現れた謎の少年。拓実とは親戚みたいなものだと言い張る。どうしようもない拓実を最後まで信じ続け、大きな影響を与える人物。

千鶴:拓実の恋人。ある日、置き手紙を残し失踪する。

東條須美子:宮本拓実の実の母親。病床に伏し、最後の時を迎えようとしている。

見どころ

宮本拓実の告白

宮本拓実の息子、時生(ときお)は遺伝性の難病に罹患しており、高校生にして最後の時を迎えようとしていました。
その最中、拓実は妻にある告白をします。

「じつは話しておきたいことがある。時生のことだ」

「ずっと昔、俺はあいつに会ってるんだ」

東野圭吾「時生」より引用

ここで拓実は、20年以上前に出会った、謎の少年「トキオ」について語り始めます。

謎の少年トキオの登場

※物語は拓実の回想シーンに入ります。

拓実は当時23歳。仕事は長続きせず、ギャンブルに明け暮れる、どうしようもない若者でした。

その日、拓実は仕事をバックレ、遊園地でゲームをし暇を潰していました。やがて、そこに1人の観客がいることに、気が付きます。

それが、トキオでした。

拓実のことを「探していた」というトキオ。拓実は自分との関係を問い詰めます。すると、彼は悩んだ末「親戚みたいなもの」言いました。

到底、信じられない拓実ですが、その後、ひょんなことからトキオと行動を共にする事になります。

千鶴の失踪

拓実には「千鶴」という恋人がいました。貧しい家庭で育った千鶴は、安定した生活を夢見ます。しかし、仕事を転々とする拓実に、それは期待できません。

そんな拓実と千鶴の別れは、突然やってきます。千鶴が置き手紙を残して失踪したのです。

途方に暮れている拓実の下に、ある情報が舞い込みます。それは 
”千鶴が男と一緒に大阪に向かった” というものでした。

トラブルに巻き込まれている可能性が高い、恋人を探し出すため、拓実はトキオと共に大阪へと向かいます。

トキオの提案

千鶴を追って大阪に向かう途中、トキオから”愛知県に寄ってほしい”と提案があります。

なぜなら、愛知県には拓実の実の母親、東條須美子が暮らしているからです。今現在、東條須美子は重篤な病気にかかっており、予断を許さない状況にありました。

しかし、そんな状況でも、自分を捨てた母親には会わないと、拓実は断固拒否します。

果たして、トキオの想いは拓実に届くのでしょうか…

「明日だけが未来じゃない」

物語が終盤に差し掛かる頃、拓実は実の父親の、壮絶な過去に触れることがありました。

その過去を知りながら、何も感じない拓実に向け、トキオが放った言葉の数々。その中の1つに「明日だけが未来じゃない」という言葉があります。

この言葉の意味は、読んでたしかめていただきたい所です。私は涙が溢れ出てしまいました。

感想

あらすじを読んだ時、SFファンタジー作品かな?と思いましたが、全くの見当違いでした。読み進めると圧倒的なヒューマンドラマが待っていました。

SF要素はあくまでおまけ、のような位置づけにすら感じる程です。

トキオと出会い、真っ当に生きられるようになった拓実。トキオは何故、拓実の前に現れたのか…

その理由に涙してしまいました。拓実と同様で、トキオによって大切な事に気づかされ、変わるキッカケをくれるような作品です。

ABOUT ME
テイケチ
◇25歳/男 ◇医療職/田舎で一人暮らし ◇小説紹介してます